切迫早産の入院費を払えない?1ヶ月120万円でも9万円のお支払い

切迫早産で急遽入院になってしまった妊婦さんは、まずは自分の体のことや赤ちゃんのことで精一杯になります。
そして、少し落ち着いてから考え始めます。
入院費がどれくらいかかるの?
とても、不安になってきます。
しかも、入院自体も初めての人は、何にお金がかかって、いくら位になるのか全く見当がつきません。
だからこそ、ここでは具体的で一般的な事例を交えながら入院費を徹底的に説明していきます。
ひとまず、安心してください!
切迫早産での入院費は、高額にはなりません!!
ほとんどの人が入っている健康保険があれば格段に安くなり、すごい金額の請求になる事はまずありえません。
健康保険の高額療養費制度・限度額適用認定を活用すれば次のようになります。
100万円の入院費がかかっても、
支払いは9万円程度で済みます!
500万円の入院費がかかっても、
支払いは13万円程度で済みます!
しかも、出産育児一時金で入院費が0円になるかもしれません。さらに、逆にお金がもらえる事もあるのです!
しかし、中には、高額療養費や出産育児一時金を後でもらって清算できても、まずは自分たちで入院費を立て替えるだけのお金がない人もいると思います。
自分たちで先に入院費120万円支払って、後から高額療養費や出産育児一時金をもらって負担をなくせるという話でも、その前にまず120万円用意できない人もいるかもしれないってことです。
いわゆる、持ち合わせがないってやつですね!でも、安心してください!
事前に申請をすれば、そんな高額な入院費を支払う必要がありません。
120万円の入院費も、事前の申請をしておけば、病院の会計で計算し直してくれて、9万円程度の支払いで済みます。つまり、持ち合わせがなくても安心して払える金額になります。
このように、高額になってしまうんじゃないかと不安になった切迫早産の入院費も、実はかなり安くなるんです。
だからこそ、知ってください!
それでは、もっと具体的な計算方法と意味合いを、これから徹底的に説明していきます!
ちなみに、切迫早産では、不安やストレスは大敵です!だからこそ、計算方法を勉強して、事前にホッと安心して入院生活を乗り切りましょう。
えいえいおーーーー!
もくじ
まず健康保険を知りましょう

健康保険には種類がありますが、確実にどれかに入っています。
会社に勤めていれば会社における福利厚生の中で社会保険として入っています。略称としては社保と言われています。また働いていなくても夫の扶養に入っていることがほとんどです。
その他で、自営の人は自分自身で払っているので、国民健康保険に入っています。略称としては国保と言われています。
どちらとも、基本的に医療費が3割負担になります。
劇的に安くなる入院費は健康保険の高額療養費制度と限度額適用認定に理由がある

切迫早産でかかる入院費で、治療にかかる費用は確実に安くなります。
健康保険に入っていれば、申請する事で確実に適応されるからです。医療費が高額になった時に、ある一定額以上の負担を軽減するための措置です。
そのため、高額になっても実際の支払いは少額ですみます。
それでは、高度療養費制度と限度額適用認定の違いを説明します。
高度療養費制度
例えば、切迫早産の入院で100万円かかりました。まずは自分たちで全額支払います。
その後で申請をする事で、3ヶ月以上たった後に自己負担の限度額以上の金額が全て払い戻されます。
例えば、100万円支払って、自己負担分が9万円だとしたら、3ヶ月以上たった後に91万円が戻ってきます。
ただし、この場合は、事前に自分たちで全ての費用を立て替えなければならないので大変です。
高度療養費制度の流れ(100万円は例です)
限度額適用認定
例えば、切迫早産の入院で100万円かかりました。
入院費支払いの時点で、計算し直されて、自己負担分の9万円を支払って終わります。
こちらは高度療養費制度と違い、初めに入院費を全て自己負担する必要がないので、とても安心です。
ちなみに、事前に健康保険会社に申請をして限度額適用認定証を発行してもらい、それを事前に保険証と一緒に病院に提出します。だいたい保険証と一緒くらいのサイズのカードです。これは必要がなくなったら、健康保険会社に返すことになっているので、忘れずに返しましょう。
限度額適用認定の流れ(100万円は例です)
このような手順で行います。
ちなみに、限度額適用認定が断然オススメです!
切迫早産で入院している妻には、入院費の手続きはきついと思いますので、夫に協力してもらい早めの手続きをしてしまいましょう。
入院の費用が高額になった時に自己負担分の医療費を出す計算式6パターンを解説

まず初めに、医療費が高額になった場合の自己負担分の費用の計算式は、健康保険被保険者の年収によって変わります。一覧を載せておきます。
ちなみに、この計算式は、高度療養費制度と限度額適用認定共に同じ計算式で算出されます。
【ア】年収約1,160万円〜
252,600円+(医療費-842,000)×1%
【イ】年収約770〜1,160万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
【ウ】年収約370〜770万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
【エ】〜年収約370
57,600円
【オ】住民税非課税者
35,400円
ここでいう年収は総支給額と考えてください。手取り給料ではありません。そのため、源泉徴収票に載る自分の年間の総支給額がここにあたります。
もしわからない場合は、年収にも許容範囲があるので、毎月の給料の総支給を12ヶ月分で計算して、後はボーナスを足してあげれば大体の年収が計算できます。
きっと20代30代の一般的なサラリーマンであれば、夫の給料はウの年収370~770万円に該当すると思います。
役職や営業での歩合がついている場合は、もしかしたらイの年収770~1160万円に該当するかもしれません。
そのため、一番該当する人が多いと思われる、イとウの例を使い6つのパターンで具体的に説明していきます。
年収500万円の夫がいる妻の切迫早産の入院費100万円はいくらになる?
切迫早産の入院費
100万円が8万7430円ですみました。
年収500万円の夫がいる妻の切迫早産の入院費25万円は実は3割負担だけ
ここでおかしい事に気付きます。25万円から26万7000円を引いたら、マイナスになります。実は、高額医療費を負担する意味はここにあります。この年収の人には、この医療費は高すぎるという判断基準が26万7000円なのです。つまり、26万7000円以上でなければ、「通常どおり支払ってください」ということです。要するに、通常の健康保険の適用で3割負担での計算になります。
切迫早産の入院費
25万円が7万5000円ですみました。
年収500万円の夫がいる妻の切迫早産の入院費500万円はいくらになる?
切迫早産の入院費
500万円が12万7430円ですみました。
500万円という高すぎる入院費ではありましたが、12万円代におさまりました。
年収900万円の夫がいる妻の切迫早産の入院費100万円はいくらになる?
切迫早産の入院費
100万円が17万1820円ですみました。
年収900万円の夫がいる妻の切迫早産の入院費25万円は実は3割負担だけ
先ほど同様に、ここでもおかしい事に気付きます。25万円から55万8000円を引いたら、マイナスになります。実は、高額医療費を負担する意味はここにあります。この年収の人には、この医療費は高すぎるという判断基準が55万8000円なのです。つまり、55万8000円以上でなければ、通常の健康保険の適用で3割負担での計算になります。
切迫早産の入院費
25万円が7万5000円ですみました。
年収900万円の夫がいる妻の切迫早産の入院費500万円はいくらになる?
切迫早産の入院費
500万円が21万1820円ですみました。
高すぎる入院費ではありましたが、21万円代になりました。
このように、医療費が高額になっても健康保険の高度療養制度・限度額適用認定を使うと格段に費用が抑えられます。
実際の約1ヶ月の入院の明細で説明します

ちなみに初・再診料や医学管理などいろいろ細かい区分けはありますが、実際かかる医療費を計算するには、そこは気にしなくて大丈夫です。
難しいことは抜きにして、自分たちが支払う合計額だけを見ていきましょう。
実際の自分たちの明細を例にします!

明細から洗い出すと次のようになります。
まさに、保険と表示されたところの金額88,497円になります。
他には、保険(食事・生活)と保険外負担がありますが、ここは健康保険一部適用もしくは適用外になるので限度額適用認定の適用外です。
しかし、基本的に少額の費用になるのでそこまで気にしなくても大丈夫です。
でも、この費用を気にする人は、任意保険の医療保険でカバーしています。いわゆる差額ベッド代やそのほかの細かい費用を補填しています。
ちなみに、こちらで上手な医療保険の掛け方を説明しています。
自分の場合は、掛け金4万円程度で、給付金28万円を受け取りました。医療保険のような任意の保険は、一時的なリスクをカバーする保険と考えています。上手に活用すると意外とお得になります。
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あとは、基本的に保険適応外の費用も、出産育児一時金でほとんどまかなえてしまいます。
この明細でもわかるのですが、出産育児一時金で支払って、請求額の合計が0円になっています。
切迫早産の入院費は出産育児一時金で結果的に0円になる?

切迫早産で入院しても、その後出産をしたあとに、出産育児一時金が出ます。
そのため、入院費も出産育児一時金でまかなえてしまうことがあります。
基本的に、出産育児一時金は、実際かかる出産費用より多い額なので、使わなかったお金は自分たちに振り込まれます。
結果的に、実際に自分たちが支払う入院費や出産費用は、かなり少額ですみます。
ちなみに、出産育児一時金も事前に申請をしておくと、支払いの際に差し引いて残金を支払う形になるので、一時的に大きな金額を支払う心配はありません。
医療費の明細は基本1ヶ月ごと分けられるので注意

ちなみに入院を1月22日~3月6日までとすると、
- 1月22日~31日
- 2月1日~28日
- 3月1日~6日
と3分割されます。
それぞれに計算式が出るのですが、基本この状態であれば、2月1日~28日が丸々1ヶ月入院しているので、高度療養制度や限度額適用認定の適用になりそうだと見当がつきます。
最終的に切迫早産の入院費はいつ払うの?

切迫早産の入院費について話してきましたが、結局いつ払うのか?
医療費の明細も毎月ごとに締め切られるので、もしかして毎月支払うの?
このようにちょっと不安に思うかもしれませんが、切迫早産の入院費を支払うのは、退院の時になります。
そして、毎月の締め切りも、基本的には退院の時に支払うように支払い期限を延ばしてくれます。
自分たちの場合も、切迫早産で入院してそのまま出産を迎えて退院したのですが、退院の際に全ての合算を支払いました。
しかし、病院によって多少の違いはあると思うので、不安に思う場合は、事前に病院に確認してみてください。
ちなみに、支払い総額ですが、1ヶ月と10日の入院を経て退院の日を迎えたのですが、限度額適用認定・出産育児一時金で賄われて、支払い総額は8万円程度でした。
そして退院後、医療保険の申請をしたので、給付金28万円を受け取り、20万円のプラスになっています。
まとめ
切迫早産の入院費が高額にならないか心配でしたが、健康保険の高度療養制度・限度額適用認定で自己負担がとても少なくなります。
しかも、出産育児一時金でほとんど賄えてしまいます。さらに、医療保険に入っておけば、逆にお金が入ってくることもあります。
自分たちの場合は、妻が妊娠する前に医療保険に加入しておいて、出産後に給付金をもらって解約しました。
結果的に、切迫早産で約1ヶ月と10日入院して出産を迎えて、マイナスにはならずに、手元に約20万円残りました。
このように、はじめは切迫早産の入院費がすごく心配になると思いますが、高額な医療費は軽減されるので、安心してください。
医療費の細かい仕組みを知っていると、お金の不安も軽減されます!
妊娠中の大変な時期に、不安は大敵です。
ぜひ、一度自分たちの入院費を計算して、安心して切迫早産を乗り越えましょう!